クロモライクマ・ダリ Chromolaichma dalli (Bergh, 1879)

クロモライクマ・ダリ Chromolaichma dalli

Location
メキシコ>オアハカ>ワタルコ>Punta Santa Cruz
Date
2021/03/23
Size
??mm
Depth
??m
Water temperature
??℃

特徴

体地色は白く、外套膜の背面と体側に大小さまざまな黒褐色の斑点が散る。大きな個体ほど斑点は細かくなって数を増し、背面の中央付近では地色がやや灰色を帯びる。黒褐色の斑点の間にはクリーム色の斑点が混じり、大型個体では橙色から赤色の斑点も現れる。外套膜の縁は橙色の帯で縁どられる。触角二次鰓は白く、先端が橙色から淡い赤色に染まる。二次鰓の枚数は 9〜34 枚と個体差が大きい。生きている個体の体長は 14〜46 mm、平均は 28 mm ほど。

同属のクロモライクマ・セドナ (Chromolaichma sedna) は外套膜が一様な白色で、縁だけが黄色と赤色の細い帯で縁どられるため、黒褐色の斑点に覆われる本種とは一見して区別できる。

分布

熱帯東太平洋。カリフォルニア湾の各所で普通に見られ、バハカリフォルニア半島太平洋岸のマグダレナ湾、メキシコ本土のナヤリット州・ハリスコ州沿岸、コスタリカからも記録がある。南はガラパゴス諸島まで分布するとされる。模式産地は当初ワシントン州のピュージェット湾とされたが、産地ラベルの誤りと判断され、1978 年にバハカリフォルニア半島のプエルトシートス南方へ読み替えることが提案された。

種小名の由来

種小名 dalli は、原記載の材料となった北太平洋の標本を提供したアメリカの貝類学者ウィリアム・ヒーリー・ダル氏にちなむ。ダル氏は 1865 年以降、アラスカ沿岸からベーリング海にかけての海産無脊椎動物を調査していた。記載者はその収集品のうち裸鰓類の検討を依頼され、含まれていた新種のうち 2 種にダル氏の名を与えた。

補足

原記載は液浸標本 1 個体だけに基づいており、生きているときの色彩は記録されていない。この標本には北米西岸ワシントン州のピュージェット湾という産地が付されていたが、その後カリフォルニア州からカナダにかけての北米西岸で本種が採集された例はない。イロウミウシ科が本来熱帯性の一群であることから、1978 年の再検討では産地ラベルの取り違えと判断され、標本はカリフォルニア湾から来たものと結論された。

同じ再検討では、1963 年にバハカリフォルニア半島のプエルトシートス南方から Chromodoris banksi として記載された種、およびその亜種として 1967 年に立てられた Chromodoris banksi sonora が、いずれも本種の変異の幅に収まると判断され、シノニムとされた。

属名 Chromolaichma は、ギリシャ語の「色」と「槍の穂先」を組み合わせた造語で、生きているときの鮮やかな色彩と、細長く伸びた歯舌の形にちなむ。

海綿食で、原記載個体の消化管には角質の骨格をもつ海綿の破片が詰まっていた。コスタリカでは Hyrtios erecta を食べるとの報告があり、体内からはこの仲間の海綿に由来するスカラレン型の化合物が分離されている。
References

本書に掲載されています

Behrens D.W., Hermosillo A., Fletcher K. & Jensen G.C. (2022). Nudibranchs & Sea Slugs of the Eastern Pacific. Molamarine. 表紙

Behrens D.W., Hermosillo A., Fletcher K. & Jensen G.C. (2022). Nudibranchs & Sea Slugs of the Eastern Pacific. Molamarine.

Molamarine

本書には Chromolaichma dalli の解説・写真が掲載されています。

Amazon で本書を見る PR (Amazon アソシエイト)
読み込み中...

撮影地を読み込み中...


観察地: ×

該当 0


学術データベース

世界のウミウシの観察データは国際的な海洋生物多様性データベースで公開されています。

詳しくはこちら