ムラサキミノウミウシ Antonietta janthina Baba & Hamatani, 1977

ムラサキミノウミウシ Antonietta janthina

Location
日本>沖縄>沖縄本島(本部・北部エリア)>石切(安和)
Date
2016/03/28
Size
15mm
Depth
1.0m
Water temperature
21.0℃

特徴

体は細長く、ミノウミウシ科に典型的な形態をもつ。地色は肉色がかった白で、背面正中には不透明な白色の不規則な斑がみられる。心嚢部の隆起も不透明白色を呈する。頭部の正中は橙黄色を帯び、口触手も橙黄色で先端に向かってやや色が濃くなる。触角は表面が平滑で、鮮やかな朱赤色。中央付近で色がやや薄れる傾向がある。背側突起は中腸腺の枝が透けて全長にわたり鮮やかな紫色を呈し、先端のみ淡黄色のキャップ状となる。足の前端はわずかに橙黄色を帯び、尾は無色で短く後方に細まる。原記載ホロタイプは体長10mm。

分布

本州太平洋岸(相模湾葉山、紀伊半島瀬戸)から九州天草(富岡)にかけての太平洋沿岸、および日本海側の富山湾(牛津、姫)から記録されている。

種小名の由来

原記載に種小名の由来は明示されていないが、ラテン語の janthinus(菫色の、紫色の)に由来し、背側突起の中腸腺が示す鮮やかな紫色にちなむと解される。Baba と Hamatani は本種の外形上の特徴として「朱赤色の触角と紫色の鰓(背側突起)」を強調しており("especially distinctive in the vermilion rhinophores and purple diverticula of the branchial papillae")、和名の「ムラサキミノウミウシ」もこの紫色の背側突起を反映している。

補足

本種は地中海産の Antonietta luteorufa Schmekel, 1966 に対し、左後肝の馬蹄形構造、顎縁の非陥入、付属腺を欠く円錐形のペニスといった特徴を共有することから、Baba と Hamatani によって暫定的にムラサキミノウミウシ属に置かれた。属間関係はなお整理途上で、両種の生殖系には細部の差異も指摘されている。最初の標本は 1937 年 3 月、Baba が天草の磯でヤドカリの殻を覆うヒドロ虫類(Hydractinia epiconcha 近縁種と推定)を摂食していた個体として採集した。
References
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