オオミノウミウシ Aeolidia papillosa (Linnaeus, 1761)

オオミノウミウシ Aeolidia papillosa

Location
日本>北海道>知床
Date
2020/02/21
Size
30mm
Depth
3.0m
Water temperature
0.5℃

特徴

体長は最大 120 mm に達する大型のミノウミウシ類。日本産個体は通常 15〜25 mm 前後で記録されるが、北大西洋では 70〜120 mm に達する個体も報告される。体色は灰白色から灰褐色で、背面に黒褐色の斑紋が散在する変異に富む。背側突起は紡錘形で背面の側縁に密に並び、約 17 横列・各列 12〜25 本に達する。背の正中線前半は突起を欠き、なめらかな帯状の地色が露出するのが本種の識別点となる。頭部前縁から伸びる口触手は長く尖り、その後方に滑らかな円錐形の触角がある。

分布

北大西洋 (ノルウェーからイギリス、北米東岸メリーランドまで) と北太平洋に広く分布する寒流系の種。日本では北海道厚岸湾・大黒島・室蘭・尻岸内・忍路、青森県浅虫から記録され、サハリンにも産する。模式産地はノルウェー海。

種小名の由来

ラテン語の papilla (乳頭・小突起) に由来する形容詞 papillosus の女性形で、「多数の小突起をもつ」の意。背面を覆う密な背側突起にちなむ。Linnaeus が 1761 年の Fauna Suecica 第 2 版で Limax papillosus として記載したもので、後に Aeolidia 属に移されて現在の組み合わせになった。

補足

イソギンチャク食性で、ウメボシイソギンチャク科をはじめとする各種イソギンチャクを摂食する。捕食したイソギンチャクの刺胞を背側突起先端の刺胞嚢に蓄え、自身の防御に転用する。Kienberger et al. 2016 の分子系統解析により、従来 Aeolidia papillosa として一括されていた個体群は隠蔽種複合体であることが判明し、北東太平洋 (カリフォルニア〜オレゴン) の集団は Aeolidia loui として分離された。同研究では北西太平洋・日本沿岸の集団は検討されておらず、本邦個体の遺伝的同定は今後の課題である。
References
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