マサコカメガイ Cavolinia inflexa (Lesueur, 1813)
マサコカメガイとは
世界の温帯から熱帯海域に広く分布する小型の有殻翼足類。殻長 8 mm 前後の平らな透明殻と、後方に向かう 3 本の尖った突起 (中央の突起が長く反り曲がる) をもち、生涯浮遊生活を送る。特徴
殻長は約 8 mm。殻は石灰質で透明、膨らまず平らな形状をもつ。後方には 3 本の尖った突起があり、中央の突起は長く反り曲がる。背腹方向に偏圧された左右対称の三角形を呈し、背腹方の「ひさし」は反らず、へら状に伸びる。初生貝 (protoconch) は褐色を帯びる。軟体部も透明で、細長い触手状の器官をもつ。腹足は翼状の遊泳板に変化し、生涯浮遊生活を送る。分布
原記載 (Lesueur, 1813) は地中海ニース沖の標本にもとづく。波部 (1961)『続原色日本貝類図鑑』および奥谷編 (2000)『日本近海産貝類図鑑』では、世界の温帯から熱帯海域に広く分布する浮遊性種として記載されている。本邦近海に分布するのは Cavolinia inflexa f. labiata (Orbigny, 1836) の型。種小名の由来
種小名 inflexa はラテン語 inflectere (曲げる、屈曲させる) の過去分詞女性形で「内側へ曲げられた、屈曲した」を意味する。後方へ反り曲がる中央突起の形状にちなむ。補足
原記載は Hyalaea inflexa Lesueur, 1813 として、地中海産浮遊軟体動物の新種記載のなかで発表された。波部 (1961) は別名としてオマゲカメガイの和名も併記している。References
- Hyalaea inflexa n. sp., Lesueur C.A. (1813). Mémoire sur quelques nouvelles espèces d'animaux mollusques et radiaires recueillis dans la Méditerranée près de Nice. Nouveau Bulletin des Sciences, par la Société Philomatique de Paris. (2) 3(69): 281-285, pl. 5.
- マサコカメガイ (オマゲカメガイ) Cavolina inflexa (LESUEUR), 波部忠重. (1961). 続原色日本貝類図鑑. 保育社, 大阪. xii + 183 + 42 pp., 66 pls. [Habe T. (1961). Coloured illustrations of the shells of Japan (II). Hoikusha, Osaka.]
- マサコカメガイ Cavolinia inflexa (Lesueur, 1813), 奥谷喬司. (2000). 日本近海産貝類図鑑. 東海大学出版会.