コブリカドリナウミウシ Cadlina umiushi Korshunova, Picton, Sanamyan & Martynov, 2015

コブリカドリナウミウシ Cadlina umiushi

Location
日本>北海道>積丹>立岩
Date
2018/09/30
Size
10mm
Depth
8.0m
Water temperature
19.0℃

特徴

カドリナウミウシ類の小型種、ホロタイプ体長 10 mm (生時)。外套膜は広く、前後とも丸い。触角は長く、結節をもつ柔らかい鞘に引き込まれる。触角薄板 11-18 枚。外套膜表面は明瞭で小さな丸い結節に覆われ、骨針が外套内にまばらなネットワークを形成する。二次鰓は 6-8 枚の多重羽状葉で共通の膜により肛門を囲む円環をなし、共通鰓腔に引き込まれる。鰓腔縁は中程度に隆起し結節縁をもつ。口幕は小型・台形で側縁に斜めの切れ込みがある。足は広く、前縁が丸く、わずかに肥厚して二重縁をなす (一見は一体)。外套膜の周縁を縁取る黄色の線が常に明瞭で、これが Cadlina laevis との外見上の識別点となる。

分布

ホロタイプは ZMMU Op-445 (10 mm 生時)、北西太平洋・ロシア・日本海・Peter the Great 湾・Bolshoi Pelis 島、礫底、水深 5-7 m、2014 年 9 月 7 日採集 (Korshunova & Martynov)。パラタイプは Spokoinaya 湾 (20 m、礫岩底) および Vostok 湾 (5-7 m、藻類付き礫) からも知られる。後年の分子系統と形態の統合解析で Cadlina olgae もジュニアシノニムと確認された。日本海全域に広域に分布する可能性が示唆される。

種小名の由来

種小名 umiushi は日本語の「ウミウシ」(海牛) に由来し、日本語語源の Latinised 種小名としては稀有な例。和名「コブリカドリナウミウシ」(小振りカドリナウミウシ) は本種が属内で小型である点にちなむ。

補足

後年の Cadlinidae リビジョンで詳細に再記載され、Cadlina olgae がジュニアシノニムとされた。COI 距離は最近縁の北大西洋 C. laevis から 3.9%、北太平洋 C. kamchatica からは 4.7%。C. laevis の弱黄縁色彩型と外見的に近いが、本種では黄縁が常に明瞭で太い点で識別される。
References

本書に掲載されています

中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版. 表紙

中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版.

文一総合出版

本書には Cadlina umiushi の解説・写真が掲載されています。

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