カドリナウミウシ Cadlina japonica Baba, 1937

カドリナウミウシ Cadlina japonica

Location
日本>宮城>女川>アゴ島
Date
2012/09/06
Size
50mm
Depth
12.0m
Water temperature
21.0℃

特徴

体長 25〜65mm に達する楕円形のドーリス型ウミウシ外套膜は広く、移動中に尾の先端を覗かせる以外は体全体を覆い隠す。背面には大小さまざまな鈍頭の密に並んだイボ状突起が散在し、皮膚全体に骨片を備える。触角は円柱状の柄と円錐形のクラブからなり、縁の整った鞘内に完全に引き込むことができる。二次鰓は 6 本で三回羽状に分かれ、肛門乳頭を中心にほぼ円を描いて配される。口触手は短い三角形の葉状で、外側後方に縦溝をもつ。腹足は前縁が急に丸まり二裂、後端は鈍く尖る。
体地色は灰白色で、背面はチョコレート色の陰影によって大部分が覆われる。すべてのイボ状突起の頂部は灰白色、触角の柄は白色、クラブは淡褐色で先端のみ黄色を呈する。二次鰓は白色で縁のみ黄色く染まる。外套膜の縁、触角鞘、鰓の周囲、腹足の縁、口触手の先端は黄色い線で縁取られる。背面に少数の黄色斑が散在する個体もある。

分布

模式産地は相模湾甘鯛場、水深 50 尋。同湾の長井亀城礁西沖 (40〜45 尋) や水深 170 尋からも採集されている。さらに鳥羽近傍の桃取からも記録がある。

種小名の由来

種小名 japonica はラテン語で「日本の」を意味する。日本産の本種に与えられた名で、原記載 (Baba, 1937) には命名理由は明示されていないが、模式産地が日本であることに由来するとみてよい。

補足

和名「カドリナウミウシ」は属名 Cadlina のカタカナ読み (カドリナ) をそのまま種の和名に当てたもの。学名読みはカドリナ・ヤポーニカ。
本種は原記載当時はドーリス科のイロウミウシ亜科に置かれた。Korshunova ほか 2020 による裸鰓類分類の再編にともない、現在はカドリナウミウシ科 (Cadlinidae) に分類される。
馬場は本種を、唇板を非分岐の小鉤で構成し、半歯列の歯数が 50 を超える大型の歯舌をもつ点で、それまでに知られていた Cadlina 属の各種 (半歯列が 50 歯以下、唇板の鉤が二岐または三岐) と区別した。同論文では同じ相模湾から Cadlina sagamiensis (サガミウミウシ) も新種記載されている。
References
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