ヤミヨキセワタ Melanochlamys fukudai S. Cooke, Hanson, Y. Hirano, Ornelas-Gatdula, Gosliner, Chernyshev & Á. Valdés, 2014
特徴
体長 3〜11 mm の小型のキセワタ類。体は細長くやや幅広で短く、頭楯は体長の約半分を占めほぼ長方形だがわずかに前方が広い。側足はよく発達し、体のほぼ全長に走る。体色は褐色から紫黒色で、地色は均一だが、頭楯のみ地色より明るく、その中央に縦走する濃色の線が走るのが本種の特徴。殻は幅広く比較的深く、小さな螺塔をもち、体層後方左側に浅い切れ込みがある。分布
模式産地は千葉県木更津市盤洲 (房総半島) の干潟。原記載時は北海道のオンネトー、福島県相馬市松川浦、神奈川県三浦市江奈湾、愛知県三河湾、三重県伊勢湾、山口県秋穂湾、相模湾などから記録されていた。干潟の泥底に生息し、干潮時に観察される。種小名の由来
種小名 fukudai は本種を未記載種として最初に認識した福田宏博士への献名で、Cooke et al. 2014 が命名した。補足
外見的には Melanochlamys diomedea に類似するが、頭楯中央に縦走する濃色線をもつ点で区別される。地理的個体群間でポエシロゴニーを示し、福島産個体は径約 160 µm の大卵から大型のベリジャー幼生を出して短期間で着底する一方、千葉・神奈川産個体は径約 100 µm の小卵からより小さい浮遊性の幼生を出すという生活史の違いが報告されている。References