クメジマヒョウモンウミウシ Plocamopherus margaretae Valles & Gosliner, 2006
特徴
体長 35〜40 mm 程度の大型のヒカリウミウシ類。生体は前縁が丸い細長い形態。頭幕は幅広く扁平でフリンジ状。口触手は扁平。体地色はピンク色から赤色で、体表全体に大きな白色の斑紋と、ほぼ卵形の黒色の斑紋が密に散在する。白色の斑紋は大きさが不揃いで背面に規則的に散在し、黒色の斑紋は常に白色の斑紋に取り囲まれ、白色のものより数は少ない。足の縁、頭幕の縁、隆起の縁には黄橙色の線が走る。触角は全長にわたって黄ピンク色を呈し、棒部の先端には短い白色の線、棒部の縁には白色と黄色の縁取りがある。3 対の側突起があり、いずれも丸く顕著な球状構造 (発光瘤) をもつ。最後尾の 1 対の球状構造は他の 2 対よりはるかに大きく丸い。前方の 2 対は非常に短く丸い。すべての側突起は黄ピンク色を呈する。鰓葉は 3 枚で 3 回羽状、それぞれ別々に背面に挿入される。足の後方は発達した細長い鶏冠状の隆起をもち、上縁にやや切れ込みがある。
分布
模式産地はミャンマー。原記載時はドバイ (アラブ首長国連邦) とミャンマーから採集が確認されていた。沖縄県・久米島から類似個体が記録されている。種小名の由来
種小名 margaretae は、本種の最初の標本を採集した Carol Harris 氏の母 Margaret への献名。補足
外見が最も似るのは Plocamopherus tilesii。本種はピンク赤色の体地色をもつのに対し P. tilesii は白色から黄色を呈する。両種ともに体表に黒色の斑紋をもつが、本種では P. tilesii よりも規則的に分布し数が少ない。本種は 3 対すべての側突起に発光瘤をもつのに対し、P. tilesii は 2 対のみ。References
- Plocamopherus margaretae n. sp., Vallès Y. & Gosliner T.M. 2006. Shedding light onto the genera (Mollusca: Nudibranchia) Kaloplocamus and Plocamopherus with description of new species belonging to these unique bioluminescent dorids . The Veliger 48(3): 178-205
- 伊関亜里砂, 真鍋友久, 武藤裕美子, 仲与志勇 & 城間一仁. (2010). 久米島より採集されたクメジマヒョウモンウミウシ(新称) Plocamopherus cf. margaretae. 沖縄生物学会誌. 48: 141-144.
- Plocamopherus margaritae, Terrence Gosliner, Ángel Valdés and David Behrens. (2015). Nudibranch and Sea Slug Identification Indo-Pacific. New World Pubns Inc.
- クメジマヒカリウミウシ(新称), 中野理枝. (2018). 日本のウミウシ. 文一総合出版.
本書に掲載されています
中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版.
文一総合出版
本書には Plocamopherus margaretae の解説・写真が掲載されています。
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