キナリア・キナラ Kynaria cynara (Ev. Marcus & Er. Marcus, 1967)

キナリア・キナラ Kynaria cynara

Location
メキシコ>オアハカ>ワタルコ>Organo
Date
2021/04/08
Size
??mm
Depth
??m
Water temperature
??℃

特徴

体地色は濃いピンク色からサーモンピンクで、白色の細かい斑点が散る個体と、斑点をもたない個体がある。背側突起は細長く、半透明のサーモンオレンジ色に白色の細点が散り、先端近くに紫色の輪、その先はクリーム色に染まる。腹足の縁には濃い紫色の線が通り、口触手の先端にも紫色の斑がのる。触角は葉状部に最大 29 枚の襞をもち、下半分はピンク色、上半分はクリーム色で先端近くに紫色の帯が入る。背側突起は細く先がとがり、いくつかの群にまとまってわずかに盛り上がった土台の上に並ぶ。体の中ほどの背側突起は体長より長くなり、水中では立てて保たれる。口触手は触角より長い。生きた個体で体長 25 mm 前後、40〜50 mm に達するとの観察もある。

分布

熱帯東太平洋。カリフォルニア湾からパナマにかけて記録がある。模式産地はメキシコ・ソノラ州のプエルトペニャスコ。長らくカリフォルニア湾北部だけで知られていたが、その後メキシコ太平洋岸のバンデラス湾など、より南からも見つかっている。水深 4 m 以深に、季節を問わず少数ずつ現れる。

種小名の由来

種小名 cynara は「アーティチョーク」を意味するラテン語・ギリシャ語にちなむ。

補足

泳ぐミノウミウシとして知られる。細長い背側突起を左右そろえて前方へ弓なりに送り出し、いったん止めてから一斉に後方へ振り下ろす。この後ろ向きの振りが推進力になり、後方の背側突起から順に中ほど、前方へと波のように動いて、先端が腹足の下に収まる。泳ぎは力強く、45 分以上続けて水中にとどまった観察がある。原記載でもすでに泳ぐ様子が記録されていた。同じ科に置かれるフラベリノプシス・イオディネア (Flabellinopsis iodinea) も泳ぐ。

ヒドロ虫を食べ、餌を特定の一種に絞らない。飼育下ではヘルミッセンダ・クラッシコルニス (Hermissenda crassicornis) を食べた観察もある。卵塊は白色。

外見のよく似た Bajaeolis bertschi と取り違えられることがある。背側突起の中を通る中腸腺は本種では細い管状にとどまるが、Bajaeolis bertschi では背側突起とほぼ同じ太さになる。触角も、本種は葉状部が細長くて襞がまばら、先端近くに紫色の帯が入るのに対し、Bajaeolis bertschi は葉状部が短く太くて襞が密に並び、先端そのものが紫色に染まる。

属名 Kynaria はギリシャ語の「アーティチョーク」に由来し、タイプ種である本種の種小名を受けたもの。
References

本書に掲載されています

Behrens D.W., Hermosillo A., Fletcher K. & Jensen G.C. (2022). Nudibranchs & Sea Slugs of the Eastern Pacific. Molamarine. 表紙

Behrens D.W., Hermosillo A., Fletcher K. & Jensen G.C. (2022). Nudibranchs & Sea Slugs of the Eastern Pacific. Molamarine.

Molamarine

本書には Kynaria cynara の解説・写真が掲載されています。

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