マダラウミフクロウ Euselenops luniceps (Cuvier, 1816)
特徴
体長 50〜110 mm に達する中型のフシエラガイ類。体は背腹に扁平で広く丸みを帯び、頭部前方に三日月状に張り出した大きな口幕をもつ。口幕の前縁には感覚突起 (papillae) が密に並び、餌の探知に用いる。体地色は茶褐色〜灰褐色で、全身に黒色の不定形な斑紋が散らばる。触角は基部が半透明の白色、中ほどに黒色の色帯があり、先端は白色となる。腹足は外套膜より大きく、外套膜の後方は細長く突出して水管を成す。外套膜の右側に小さく退縮した内在性の貝殻をもつ。分布
インド-西太平洋の熱帯〜暖温帯に広く分布する。アフリカ東岸 (タンザニア、モザンビーク、南アフリカ) からインドネシア、フィリピン、オーストラリア、パプアニューギニア、日本、ハワイ諸島まで記録される。種小名の由来
ラテン語の luna (月) と -ceps (頭部) を合わせた語で、半円形に張り出した口幕の形を月になぞらえたもの。補足
夜行性で、日中は砂地に潜って身を隠す。夜間に砂底を這って餌を探し、刺激を受けると体を波打たせて短く遊泳する。口幕の感覚突起を砂面に当てて、砂中の小型甲殻類や動物質を探知して捕食すると考えられている。雌雄同体で、交尾の際は相互に雄役と雌役を担う。失った組織を数日で再生する能力も観察されている。原記載は Pleurobranchus luniceps として発表され、その後 Euselenops 属に移された。References
- Pleurobranchus luniceps, Cuvier G. (1816). Le règne animal distribué d'après son organisation, pour servir de base à l'histoire naturelle des animaux et d'introduction à l'anatomie comparée. Tome 4. Deterville, Paris. 255 pp.
- マダラウミフクロウ, 生物學御研究所編. (1955). 相模湾産後鰓類図譜〈補遺〉. 岩波書店.
- マダラウミフクロウ, 鈴木敬宇. (2000). ウミウシガイドブック〈2〉. TBSブリタニカ.
- マダラウミフクロウ, 殿塚孝昌. (2003). ウミウシガイドブック〈3〉. TBSブリタニカ.
- マダラウミフクロウ, 中野理枝. (2004). 本州のウミウシ. ラトルズ.
- Euselenops luniceps, Terrence Gosliner, Ángel Valdés and David Behrens. (2015). Nudibranch and Sea Slug Identification Indo-Pacific. New World Pubns Inc.
本書に掲載されています
Terrence Gosliner, Ángel Valdés and David Behrens. (2018). Nudibranch and Sea Slug Identification Indo-Pacific 2nd Edition. New World Pubns Inc.
New World Publications
本書には Euselenops luniceps の解説・写真が掲載されています。
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