コナツメガイ Bulla orientalis Habe, 1950
特徴
薄くて丸みのある卵形の殻を持つ頭楯目の巻貝。殻長は最大で約35mm、通常20〜30mm程度。殻頂は陥没し(巻き込み型)、体層が大きく、殻口は前方に向かって広がる。西太平洋産の個体は殻が薄く細長い形をしており、淡い地色に褐色の斑点が散在し、斑点の周囲はやや黄色みを帯びる。インド洋産は殻が厚く方形に近く、赤褐色に薄い暗色帯が入る。殻口の縁は赤みを帯び、軸唇は白色。生時の体は紫色の細点が散在する。分布
インド・西太平洋に広く分布する。タイプ産地は台湾・花蓮(Karenkō, Formosa)。日本では琉球列島から記録がある。インド洋では南アフリカ、タンザニア、マダガスカル、セーシェル、モーリシャス、モルディブ、アンダマン諸島、西太平洋ではベトナム、ニューギニア、オーストラリア北東岸、ニューカレドニア、ソロモン諸島、フィジーから知られる。種小名の由来
ラテン語 orientalis(東方の)に由来する。補足
和名はコナツメガイ。夜行性で、日中は砂地や枯れたサンゴの間に潜み、夜間に活動する。海草藻場でも見つかる。同属の Bulla vernicosa よりも一般に小型で、生時の体に白色斑点が無いことで区別される。日本産個体はかつて Bulla punctulata と同定されたことがあるが、B. punctulata は東太平洋産の別種で、日本産の本種とは別物である(Malaquias & Reid, 2008)。References
- Bulla orientalis n.sp., Habe T. (1950). Hydatinidae, Bullidae and Akeridae in Japan. In: Kuroda T. (ed.) Illustrated Catalogue of Japanese Shells, 1(3): 17-24, pl. 3.
- Tibiriçá Y. & Malaquias M.A.E. (2017). The bubble snails (Gastropoda, Heterobranchia) of Mozambique: an overlooked biodiversity hotspot. Marine Biodiversity. 47(3): 791-811. https://doi.org/10.1007/s12526-016-0500-7