ヒミツナメクジ Aiteng mysticus Neusser, H. Fukuda, Jörger, Kano & Schrödl, 2011

ヒミツナメクジ Aiteng mysticus

Location
日本>沖縄>宮古島
Date
2020/03/13
Size
3mm
Depth
??m
Water temperature
??℃

特徴

体長 5〜10 mm の小型で殻のない陸寄りスラッグ状の異鰓類。形は陸生のナメクジに似て、頭部に触角口触手・前足触角を一切持たない。背面の外套膜は淡褐色〜紫褐色で、表面は多量の粘液で常に光沢を帯びる。頭部には短い丸い 1 対の膨らみがあり、その後外側端に小さく明瞭な黒色の眼が認められる。背面正中には前足の直後から足の後端まで走る不明瞭な縦溝がある。足は単純で丸く、側面は色素を欠く淡ベージュ色。観察された 1 個体で自切 (体の一部を切り離す行動) の可能性が記録されている。

分布

模式産地は沖縄県宮古島 久松。ほかに沖縄本島から記録があり、日本の琉球諸島からのみ知られる。岩礁海岸の上部潮間帯にある小型の海食洞内のクラック、あるいはマングローブ林に隣接する汽水性の泥底に深く埋まった大きな湿った岩の下面に棲息する。半陸生の生活様式をとる。

種小名の由来

種小名 mysticus はラテン語 mysticus (神秘の、秘密の) に由来し、発見時に研究者が付した和名「ヒミツナメクジ (秘密ナメクジ)」を学名化したもの。

補足

Aiteng Swennen & Buatip, 2009 はもともとタイのマングローブで、空気中で活動し蚊の幼虫を食べる「肉食性の半陸生スラッグ」Aiteng ater として記載された異色の異鰓類で、Aitengidae 科を新設して収められた。本種 Aiteng mysticus は Neusser et al. 2011 により琉球列島から第 2 種として記載された。3D 微細解剖学・分子系統解析の結果、Aitengidae はアコクリッド類 (Acochlidia) に近縁であることが示された (元の Sacoglossa 内置きは否定された)。本科は近年 Aiteng marefugitus Kano, Neusser, Fukumori, Jörger & Schrödl, 2015 など複数種が知られるようになり、いずれも陸寄りの極端な棲息域選択で注目されている。
References
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