スダレオトメウミウシは Dermatobranchus albus と本当に別か (未公表の1配列で、公表済みの判断を覆せるか)

スダレオトメウミウシは Dermatobranchus albus と本当に別か (未公表の1配列で、公表済みの判断を覆せるか)

2026年07月09日 ·

本書は沖縄産の1個体 (SSWBP520) を、 キシマオトメウミウシ (Dermatobranchus albus (Eliot, 1904)) とは別の未記載種と判定し、 スダレオトメウミウシという新和名を当てている。 別種とした根拠は外部形態が既知の D. albus と異なるという観察 (写真による同定) で、 分子的な裏づけは本書に示されていない。

そこで、 本書がこの標本の voucher として記録している COI 配列 (SSWBP520) を当サイトで検証した。 GenBank で最も近いのは D. albus のラベルが付く1配列 MW940348 で、 一致率は 約90% (距離約10%、 種のあいだのレベル)。 ただし MW940348 自体が未公表・写真なしで同定の拠り所を欠くため、 この 約90% を「真の D. albus との距離」 として読むことはできない。 別種の確定にも、 単一種の否定にも、 この1配列だけでは足りない。 いっぽう公表された基準としては、 Gosliner & Fahey 2011 が沖縄を含む各地の D. albus を、 変異幅の広い単一種として扱っている。

本書の判定と検証結果

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