ムカデミノウミウシ Pteraeolidia semperi (Bergh, 1870)

ムカデミノウミウシ Pteraeolidia semperi

Location
日本>東京>八丈島>乙千代ヶ浜
Date
2018/10/10
Size
30mm
Depth
8.0m
Water temperature
26.0℃

特徴

細長く扁平な大型のミノウミウシ類で、体長 5 cm 前後、最大 10 cm を超える個体もある。背側突起 (cerata) は体の両側に縦に並んだ突起群を作り、群が前後に多数並んで「ムカデ」を思わせる外観をつくる。突起の色は灰青〜灰緑色から茶褐色、紫色味を帯びる個体もあり、しばしば白色や青色のリングが入る。触角は長く、棍棒部に多数の輪状葉をもつ。

体内の突起には褐虫藻 (Symbiodinium) を共生させており、明るい場所では体側の突起を広げて光合成由来のエネルギーを利用する。刺胞嚢に蓄えた刺胞は強力で、ダイバーが直接触れると痛みを伴う皮膚炎を起こすことがある。

分布

模式産地はフィリピン・ボホール島南西端の Panglao。インド-西太平洋のサンゴ礁域に広く分布し、日本では本州中部以南でごく普通に観察される。

種小名の由来

種小名 semperi は、原記載の標本を採集・送付したドイツ人動物学者カール・ゴットフリート・ゼンパー (Carl Gottfried Semper, 1832-1893) への献名。Semper は本種を含む大量のフィリピン産後鰓類標本を Bergh のもとへ送り、その検討結果は Semper 編「Reisen im Archipel der Philippinen」叢書に収載された。

補足

刺胞動物のヒドロ虫類を主食とし、餌から取り込んだ未発射刺胞 (キニドサック) を突起先端に蓄えて防御に用いる。 Pteraeolidia 属のタイプ種。
References

本書に掲載されています

小野篤司 & 加藤昌一. (2020). 新版 ウミウシ. 誠文堂新光社. 表紙

小野篤司 & 加藤昌一. (2020). 新版 ウミウシ. 誠文堂新光社.

誠文堂新光社

本書には Pteraeolidia semperi の解説・写真が掲載されています。

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