アワユキウミウシ Pinufius rebus Er. Marcus & Ev. Marcus, 1960
アワユキウミウシとは
インド・西太平洋のサンゴ礁域に分布する小型のミノウミウシで、半透明褐色の体に隙間なく並ぶ短い背側突起がサンゴ表面に擬態する点で見分ける。特徴
体長は最大 10 mm 程度。体地色は半透明の褐色で、体は楕円形をなし、背面全体にびっしりと背側突起を生じる。背側突起は中ほどでやや膨らみ、先端は丸い。背面正中線とそこから左右に伸びるうねがあるが、密生する突起に覆われて外からは判別しにくい。触角は平滑で、半透明の褐色。分布
原記載時は紅海とモルディブで採集された材料に基づき記載された。その後はオーストラリア、フィリピン、日本、マーシャル諸島などインド・西太平洋のサンゴ礁域で広く記録されている。種小名の由来
種小名 rebus はラテン語で「物事によって(示される)」「謎絵で表される」の意。属名 Pinufius と合わせて何らかの言葉遊びによる命名と解されているが、記載論文に明確な説明はない。補足
ハマサンゴ類 (Porites) の表面に付着し、その組織を餌とするサンゴ食性。半透明の褐色とびっしり並ぶ短い突起は、ハマサンゴのポリプ群との視覚的な擬態とみなされる。References
- Pinufius rebus n. g. n. sp., Marcus Er. & Marcus Ev. (1960). Opisthobranchia aus dem Roten Meer und von den Malediven. Abhandlungen der Akademie der Wissenschaften und der Literatur in Mainz. Mathematisch-naturwissenschaftliche Klasse. 12: 873-934.
- アワユキウミウシ(新称), 小野篤司. (2004). 沖縄のウミウシ. ラトルズ.
- Pinufius rebus (= Tenellia rebus syn. nov.), Fritts-Penniman A.L., Gosliner T.M., Mahardika G.N. & Barber P.H. (2020). Cryptic ecological and geographic diversification in coral-associated nudibranchs. Molecular Phylogenetics and Evolution. 144: 106698. https://doi.org/10.1016/j.ympev.2019.106698