アマミミドリガイ Edenttellina pseudochloris (Kay, 1964)
アマミミドリガイとは
インド・西太平洋のサンゴ礁域に分布する小型の有殻嚢舌類で、緑色の体に薄い二枚貝状の貝殻を持ち、ミル属の緑藻に付着する点で見分ける。特徴
殻長は数 mm 程度の小型種。貝殻は薄く、左右に偏平な二枚貝状の形をしており、輪郭は卵形〜三角形を呈する。前端(腹側)が丸く膨らみ、後端に向かって細く絞られる。殻頂は前方寄りに位置し、背縁(ヒンジ側)はわずかに湾曲してほぼ直線状、腹縁側はやや平坦。殻表面に特別な模様や斑点はなく無地。軟体部は緑藻の色素により全体に緑色を帯び、頭部や頸部には小さな白色斑が散る。分布
原記載時はハワイ・カウアイ島コロア近海で得られた個体に基づき記載された。その後はフィリピン、パプアニューギニア、オーストラリア、インドネシア、日本(奄美大島・沖縄)など、インド・西太平洋のサンゴ礁域に広く記録されている。種小名の由来
種小名 pseudochloris は接頭辞 pseudo-(疑似の)と種小名 chloris(東太平洋に分布する近縁種 Edenttellina chloris の種小名)の合成で、「chloris に似て紛らわしいもの」を意味する。補足
ミル属の緑藻 Caulerpa racemosa(フサイワヅタ)を主な餌とし、二枚貝のような外見ながら腹足類に属する嚢舌類。プランクトン浮遊期を経る発生をおこなう。References
- Berthelinia pseudochloris n. sp., Kay E.A. (1964). The Aplysiacea of Hawaii [or related Berthelinia paper]. Including: Berthelinia pseudochloris n. sp., pp. 191-193, fig. 1, pl. 9 figs 1, 4.
- Edenttellina pseudochloris, McCarthy-Taylor J.B., Krug P.J., Muro S., Vendetti J., Maestrati P., Wong N.L.W.S., Gosliner T.M. & Valdés Á. (2025). The slug within the bivalve: molecular and morphological systematics of the family Juliidae (Gastropoda: Panpulmonata: Sacoglossa). Zoological Journal of the Linnean Society. 204(2): zlaf056. https://doi.org/10.1093/zoolinnean/zlaf056