5月のサイト更新まとめ — 日英説明文を論文取り込みでパワーアップ・動画埋め込み対応
5 月は種ページの説明文を大きく作り直しました。これまでの蓄積で生じていた専門用語の併記や歯舌・解剖細部の冗長を整理し、できる限り 原記載論文ベースで日英を組み立て直しています。おかしいところがあればお知らせください。あわせて、種ページに YouTube や X 動画を貼れる仕組み を追加しています。
説明文を「論文ベース」で組み直し
最近、説明文の素案を AI で書き始めています。すると原記載論文の解剖部分(歯舌・顎板・陰茎棘…)や、「触角 (rhinophore)」のような日英ジャーゴン併記がそのまま本文に入ってしまい、一般読者には読みにくいページが増えてしまいました。
5 月はこれを 約 1000 種規模で日本語・英語ともに作り直し、以下のテンプレートに揃えました:
- 特徴 / Description — 一般読者にもわかる外見・サイズ・色彩
- 分布 / Distribution — 模式産地と現在の分布、時制を明示
- 種小名の由来 / Etymology — ラテン/ギリシャ語の意味と命名理由 (原記載に書かれている範囲)
- 補足 / Remarks — 食性・科属の所属・近縁種との見分けなど
世界のウミウシ図鑑として必要な情報だけを残し、解剖細部や後の研究で覆された分類変遷の細かい話は本文から除外して、専門資料へのリンク(References)に役割を譲りました。「触角 (rhinophore)」のようなジャーゴン併記も削除し、用語集に登録された語が 本文中で自動リンク化 される仕組みに乗せ替えています。AI が説明文を生成する際の挙動も、/species-review スキル側で「どこまで書く・どこから書かない」を継続調整しているところです。
英語側では、これまで日本語のみだった種ページに 新規の英語説明を生成・拡充 しました。原記載や WoRMS・現代分類レビューに基づく英語説明が読めるようになり、en.seaslug.world からの英語検索流入や、海外のリサーチャー・ダイバーへの可読性が改善する見込みです。
原記載の取り込み
説明文の組み直しと並行して、原記載論文を参考文献としてサイトに取り込む作業 を進めました。サイトに参考文献として登録されている論文は現在 725 本。5 月に取り込んだ主要なものを挙げると:
- Baba (1949) 相模湾産後鰓類図譜 — 馬場菊太郎博士による日本産後鰓類のモノグラフ。多くの種で「原記載」あるいは「最初期の和名提唱」として参照
- Bergh (1880–1905) Verhandlungen der zoologisch-botanischen Gesellschaft などの一連の記載シリーズ
- A. d'Orbigny (1835) Voyage dans l'Amérique méridionale — クリイロカメガイ Cavolinia uncinata の原記載(最初は Hyalaea uncinata として発表されたもの)を含む
- A. Adams (1850) Thesaurus Conchyliorum: Bullidae — ツマベニクダタマガイ Cylichna biplicata など多数の頭楯類の原記載
- Rampal (2017) Euthecosomata Taxonomic review — 翼足類の現代分類レビュー
種ページ下部の「References」欄には 論文中で実際に使われている学名表記 とともに表示されます。組み合わせ変更 (例: Hyalaea uncinata → Cavolinia uncinata) の歴史は、本文ではなく References を年代順に並べることで読み取れる構造にしました。
例として、クリイロカメガイ /species/cavolinia_uncinata のページでは、d'Orbigny (1835) のときは Hyalaea uncinata として、Rampal (2017) のときは Cavolinia uncinata (Rang, 1829) として、という履歴が References 欄から辿れるようになりました。
「論文 → 説明文」を半自動化する仕組み
毎回ゼロから論文を読んで日英文を書くのは大変なので、サイト整備用に AI スキル /species-review を組みました。種 ID を渡すと、本番 DB から既存情報を取り、ローカルの論文 PDF を最優先で読み込み、標準テンプレートに沿って日英ドラフトを生成し、WoRMS と突き合わせて自己検証し、不足している原記載論文があれば参考文献として登録するところまで進みます。
最終的な内容は人間(運営)が確認して反映する流れですが、論文 PDF を 1 度通読した結果が他種にも再利用される ようになり、説明文の質と更新スピードが揃ってきました。
動画/SNS 埋め込みに対応
種ページの最後 (References の下) に YouTube 動画 / X (旧 Twitter) ポストを 1 つだけ 貼れるようにしました。
- 管理画面の種編集画面で URL を貼るだけで、プロバイダ (YouTube / X) と動画 ID が自動抽出されます
- YouTube の場合は VideoObject JSON-LD を出力するので、Google の検索結果に動画サムネが出る可能性が高くなります
- 16:9 の比率コンテナに lazy load 付きで埋め込むので、ページ表示も重くなりません
- 著作権表記は「YouTube: 投稿者名」の形で、動画ページへのリンクとして表示されます
最初の例として、エダウミウシ /species/kaloplocamus_albopunctatus のページに 生物発光する瞬間の動画 を貼りました。ウミウシの動画を募集しています ── 写真だけでは伝わらない動き・発光・遊泳・摂餌などをとらえた YouTube / X 動画があれば、ぜひお知らせください。
試してみてほしいこと
- 種ページの References 欄を見る (例: クリイロカメガイ、ツマベニクダタマガイ) — 原記載と現代レビューが並んでいます
- 動画埋め込み済の種を見る (例: エダウミウシ) — 発光する瞬間の動画
- 解剖細部が削減されてスッキリした説明文 (332 種で更新済)
- 「触角」「背側突起」のような用語をクリックすると 用語集 へ飛ぶ自動リンク
引き続き、原記載に基づく説明文 + References の充実を進めていきます。気になる点は お問い合わせフォーム から連絡ください。
「日本のウミウシダイビングガイド」 ページを公開
国内でウミウシダイビングを計画される方向けのガイドページを公開しました。
URL: https://seaslug.world/japan-diving-guide/
全国を 8 海域 (北海道・北陸・伊豆相模・伊豆諸島小笠原・関西・中国四国・九州・沖縄) に整理し、 各海域の代表ポイント・ピークシーズン・代表種を 1 ページにまとめています。 当サイトに記録された 35 ヶ所のダイブサイトそれぞれの種数 (合計 約 2,000 種) を 1 画面で見比べられるので、 「次にどこに潜るか」 を決める判断材料になります。
各海域ごとの詳細はそれぞれのエリアページ (例: 城ヶ島) にリンクしています。
ウミウシガイド募集
各エリアのページや「日本のウミウシダイビングガイド」 では、 各海域の 現地ダイビングショップ / ガイドの紹介スペース をご用意できます。 自分のエリアでウミウシガイドをやっておられる方、 もしくはお気に入りのショップがある方は、 ぜひお問い合わせフォームよりご連絡ください。 英語対応のショップも大歓迎です。
TOP ページに FAQ を追加
TOP の下段に 「よくある質問」 セクション を追加しました。 答えている質問は次のとおりです:
- 種類がわからなくても投稿できますか?
- だれでも投稿していいんですか?
- どんな写真を送ればいいですか?
- 投稿した写真は AI 学習に使われますか?
- 投稿した写真の著作権は?
- 投稿すると本名が出ますか?
このサイトは投稿者の写真と観察記録で成り立っていますが、 「自分も投稿できる」 と気づいてもらえる機会が今までは少なかったので、 FAQ を最初の画面に近い位置に置きました。 「投稿してみたい」 と思った方がその場で参加方法を確認できるようになっています。
about ページを新設
このサイトが 誰によって・何を・何のために運営されていて、 結果として何が蓄積されているか をまとめて読めるページが今までなかったので、 新設しました。
URL: https://seaslug.world/about/
書いてあること:
- 誰が: 運営者 (木元伸彦) について
- 何を: 写真投稿型のウミウシデータベース、 投稿者が育てる 3 つの場所 (個人の図鑑 / サイト全体の図鑑 / 学術データベース)
- 何のために: 「みんなで作るウミウシ図鑑」 のコンセプト
- 結果: 投稿者数 / 種数 / 観察記録数の live カウント、 JaLC DOI (10.48518/00032) / BISMaL / OBIS に学術データセットとして提供している状況、 テレビ・書籍での site 写真使用例、 学術論文で site が引用された例
- 連絡先: お問い合わせフォーム
「観察記録」(写真一覧) とマイページを刷新
写真一覧ページとマイページを 5 月後半に大きく作り直しました。年・月・場所・状態でシームレスに絞り込める ようにしています。
写真一覧 /photos
URL: https://seaslug.world/photos
- ページ名を「観察記録」 に変更 (写真一覧ではなくダイブログとして読めるように)
- 期間の絞り込みは 年月の棒グラフ に置き換え。 棒の高さで「いつ盛り上がっていたか」 が見えるようにしました
- 各カードに 撮影者のアバターと名前 を表示。 これまで撮影者の情報は別画面に飛ばないとわからなかった
マイページ /@{username}
URL 例: https://seaslug.world/@nobuhiko
- 旧 URL
/photos/{user}は /@{user} に転送 されます - マイページに 「観察記録アルバム」 セクション を追加。 自分の観察を 年・月・場所・状態 の 4 つの軸で同時に絞り込めます
- 4 つの軸は 互いに連動 します。「2025 年」 を選ぶと、 その年に潜った場所だけが選択肢に残る、 という挙動
感想ください
年月の棒グラフ、 初めて触る方には触り方がわかりにくいかもしれません。 また 4 軸の絞り込みは便利な反面、 組み合わせを間違うと「何も該当しない」 状態になることもあります。 「使いづらい」「ここわからない」 といった感想を お問い合わせフォーム や SNS でぜひ教えてください。 改善の優先順位を決めるのに使わせていただきます。
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