エウブランクス・マラーホフィ Corruptobranchus malakhovi (Ekimova, Mikhlina, Vorobyeva, Antokhina, Tambovtseva & Shepetov, 2021)
エウブランクス・マラーホフィとは
日本海北部のルドナヤ湾から記載された小型のミノウミウシで、半透明白色の体に背側突起内部の鮮やかなオレンジ〜赤橙色の消化腺がよく目立つ。特徴
体は細長く小型で、全長は最大 8 mm。触角と口触手は単純で細長く、長さは 0.8 mm 程度に達する。触角は太めでなめらか。背側突起は最大 6 列、各列に最大 4 本を並べる。背側突起は膨らみが大きく、消化腺が内部の半分ほどを占める。側方の突起は管状で、内部空間のほぼ全体を消化腺が占める。肛門は右側の第 3 突起列の後方に開き、突起列の外側に位置する。体地色は半透明の白色。触角には細かい白色顆粒が散る。背側突起内部の消化腺は鮮やかなオレンジ色から赤橙色で、半透明の突起壁を通してよく透ける。突起先端の刺胞嚢付近には白色顆粒の傘状の斑がのる。
分布
記載時は日本海北西部、ロシア沿岸のルドナヤ湾(44°28.55′N 136°06.52′E)、水深 15–20 m から知られていた。著者らは北西太平洋にもより広く分布する可能性を示唆している。種小名の由来
種小名 malakhovi は、ロシアの無脊椎動物学者でモスクワ大学無脊椎動物学教室教授のウラジーミル・V・マラーホフに献じられたもの。マラーホフ教授は記載者らの恩師にあたり、ロシア極東の海洋動物相研究を長年にわたり牽引してきた人物。補足
セルチュラリア科のヒドロ虫の群体に付着し、これを餌とする。北太平洋に分布する近縁種 Corruptobranchus odhneri や Corruptobranchus sanjuanensis と外見・解剖が類似するが、分子データと細部形態で区別される。References
- Eubranchus malakhovi sp.n., Ekimova I.A., Mikhlina A.L., Vorobyeva O.A., Antokhina T.I. & Tambovtseva V.G. (2021). Young but distinct: description of Eubranchus malakhovi sp.n. a new, recently diverged nudibranch species (Gastropoda: Heterobranchia) from the Sea of Japan. Invertebrate Zoology. 18(3): 197-222. https://doi.org/10.15298/invertzool.18.3.02
- Corruptobranchus malakhovi, Martynov, A. & Korshunova, T. (2025). Hidden diversity of the North Pacific prompts reorganization of the taxonomic system. Moscow: Neptune. ISBN 978-5-9905149-3-5. 48 pp.