エリシア・アオタイ Elysia aowthai Mehrotra, Caballer, C. M. Scott, Sp. Arnold, Monchanin & Chavanich, 2020

エリシア・アオタイ Elysia aowthai

Location
日本>沖縄>宮古島>ドロドロパーク II
Date
2024/09/23
Size
8mm
Depth
20.0m
Water temperature
28.0℃

エリシア・アオタイとは

タイランド湾を模式産地とする小型のウミウシで、半透明の白色の体に触角の先端が濃青色〜紫色で目立つ。体長は最大 16 mm ほど。

特徴

体は半透明の白色で、不透明な白色の細点が体表全体に散在し、特に側足の縁、腎心嚢隆起、頭部背面、触角の表面に密集する。触角は長く先端が尖り、全長にわたって縦溝が走る。先端は濃青色から紫色で、基部に向かって退色する。他のゴクラクミドリガイ属に見られる消化腺の細管が触角先端に伸びておらず、青〜紫色は組織色である。眼点は黒くコンマ形で、触角の後方に位置する。消化腺は赤褐色から淡緑色まで個体差があり、細い支流が背面に網目状の特徴的なパターンを描く。尾は尖り、側足の後端を超えて伸びる。

分布

模式産地はタイランド湾タオ島の Leuk Bay (水深 12 m、砂泥底)。原記載 (2020) では、グアム (Bass 2006 で Elysia cf. japonica と同定) およびオーストラリア・リザード島 (Wägele et al. 2010 で Elysia amakusana と同定) の標本も分子系統解析から本種に該当することが示された。

種小名の由来

模式産地であるタイランド湾を現地語で「Aow Thai」と呼ぶことに由来し、それを話す現地の人々への敬意を込めた命名。

補足

Elysia japonica 種複合体の一員。E. japonica 自体は採集地不明の保存標本に基づく記載のため外部形態が長く曖昧で、Elysia amakusana・Elysia abei・E. furvacauda 等との混同が続いてきた。Takano et al. 2013 の分子系統解析では E. abei は Elysia amakusana の新参異名と整理され、これらは E. japonica とは別系統で独立種として確認された。本種はこの複合体のうちタイ・グアム・豪州の系統を分子的根拠と外部形態の組み合わせで切り出したもの。タオ島周辺では水深 10〜24 m の砂泥底に周年見られ、特定の海藻に強く依存することはないが、未同定の糸状紅藻のそばで観察される個体が多く、消化腺の赤みはこの紅藻に由来すると推測される。サンゴ礁や礁縁部の浅所では確認されていない。
References
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