ワカバミドリガイ Elysia nealae Ostergaard, 1955
特徴
体長 15 mm 前後、原記載では最大 33 mm に達する細長い嚢舌類。体型はほぼ円筒に近く、後方に向かってゆるやかに先細る。側足葉はよく発達して背面で内側に折り重なり、左右が背中で接する。触角は細長く真っ直ぐに伸び、先端に向かって尖って前外側を向く。眼は触角基部の後外側に明瞭で、各眼を小さな白点が取り囲む。腹足は前縁中央に浅い切れ込みを持ち、後方は鈍く尖って終わる。体地色は淡緑色から鮮緑色で、体表全体に白色の細点が散在し、特に触角・頭部・側足縁付近で密集する。側足の縁と尾部先端は黄緑色を帯びる。緑藻を吸引摂食し、葉緑体を体内に保持して光合成的に利用する。分布
中部太平洋。模式産地はハワイ・オアフ島ワイキキで、海藻に付着した状態で 1923 年 11 月 24 日に Marie C. Neal によって採集された (ホロタイプ USNM 574930)。日本 (南西諸島を含む)・グアム・パルミラ環礁からも記録されている。種小名の由来
ハワイの植物学者 Marie Catherine Neal (1889-1965) への献名。彼女がワイキキで模式標本を採集したことに由来する。補足
同所性の Elysia degeneri とは、触角が長く滑らかで先細る点 (E. degeneri は短く節状で先細らない) と、側足葉が均一に緑色である点 (E. degeneri は内縁に鮮やかな橙色の縁取りを持つ) で容易に区別できる。日本産個体に対しては「アマミミドリガイ」が中野ほか 2015 で提唱されたが、同名はすでに Berthelinia 属の種に与えられているため使えず、現在は西田 2024 による「ワカバミドリガイ」が用いられている。References
- Elysia nealae, Ostergaard J.M. (1955). Some opisthobranchiate Mollusca from Hawaii. Pacific Science, 9(2): 110-136.
- Elysia sp. 6, 中野理枝. (2004). 本州のウミウシ. ラトルズ.
- アマミミドリガイ(新称), 中野理枝, 今川郁 & 今本淳. (2015). 南西諸島で記録された嚢舌類の報告. Kuroshio Biosphere. 11: 41-60.
- アマミミドリガイ, 中野理枝. (2018). 日本のウミウシ. 文一総合出版.
- エリシア・ニールアエ, 小野篤司 & 加藤昌一. (2020). 新版 ウミウシ. 誠文堂新光社.
- ワカバミドリガイ(新称), 西田和記. (2024). ウミウシの生態観察図鑑. 誠文堂新光社.
本書に掲載されています
西田和記. (2024). ウミウシの生態観察図鑑. 誠文堂新光社.
誠文堂新光社
本書には Elysia nealae の解説・写真が掲載されています。
Amazon で本書を見る PR (Amazon アソシエイト)季節性
撮影地
撮影地を読み込み中...