ボンジイボウミウシ Phyllidia exquisita Brunckhorst, 1993
特徴
体長10〜23mmの小型のイボウミウシ。地色は白で、黒い線と黄色の斑が組み合わさった繊細な模様をもつ。背面の中央には縦長の白いゾーンが左右に並び、その中に小さな丸い結節が並ぶ。白いゾーン内の結節は黄色く、黒地の上の結節は黒く色付く。背面の白いゾーンは黒い横線でしばしば区切られ、外套膜縁は黄色で縁取られる。短い黒い放射状線が外套膜縁付近に走る。触角は黄色で17〜20枚の葉状板をもち、中央に短い縦の黒線がある。腹側はすべて白く、無斑である。分布
中央〜西太平洋および北東インド洋。模式産地はオーストラリア・グレートバリアリーフのウィスタリ・リーフ (水深24m)。タイのピピ島など、フィジー、マーシャル諸島、ノーフォーク島、PNG (パプアニューギニア)、グアムからも記録がある。種小名の由来
原記載 (Brunckhorst, 1993, p.38) の Etymology 段落は次の通り — "The exquisite and fine patterns of this species are the basis for its name." 種小名 exquisita (ラテン語 exquisitus 「精選された、洗練された」の女性形) は、本種の繊細で美しい模様 (exquisite and fine patterns) に由来する。和名の由来
黒い部分が梵字のように見えることにちなむ。補足
本種は 1993 年の Phyllidiidae 改訂 Records of the Australian Museum Supplement 16: 1-107 で新種記載された。原記載 Remarks では本種は白・黒・黄の組み合わせをもつ小型種で、単純な丸形の結節が大体縦列に並ぶがうねを形成しないこと、白い領域内の結節は黄色く頂きをもつこと、特徴的な背面パターンが種内変異の小ないこと、触角葉状板が17〜20枚で中央に短い縦黒線をもつことが特徴として挙げられる (p.37-38)。類似する淡色種 P. willani や P. babai は本種より大きく、P. willani の触角葉状板 (16-19枚) は本種よりわずかに少なく、P. babai (21-24枚) はわずかに多い。References
- Phyllidia exquisita n.sp., Brunckhorst D.J. (1993). The systematics and phylogeny of phyllidiid nudibranchs (Doridoidea). Records of the Australian Museum, Supplement 16: 1-107.
- タテスジイボウミウシ(新称) Phyllidiopsis sphingis ?, 益田一ほか. (1996). 海岸動物 (フィールド図鑑). 補訂版第2版. 東海大学出版会.
- ボンジイボウミウシ(新称), 小野篤司. (2000). ウミウシガイドブック. 第2版. TBSブリタニカ.