ツノクロミドリガイ Elysia asbecki Wägele, Stemmer, Burghardt & Händeler, 2010

ツノクロミドリガイ Elysia asbecki

Location
日本>沖縄>沖縄本島(北谷・南部エリア)>名城
Date
2016/03/25
Size
7mm
Depth
3.0m
Water temperature
19.0℃

特徴

体長 8 mm 程度。半透明の地に細かな白点が密に散らばり、その上に黄色〜橙色の斑が体面に広く分布する。橙色斑は時に縞状に並ぶ。側脚の外側面には微細な黒点が散在し、内側と腹面は半透明で消化腺の緑色が透けて見える。頭部の項部 (触角後方) には地色より明るい白斑があり、識別の目印となる。触角は半透明白色で先端近くに黒色の輪と黄色の輪が並ぶ二重リング模様をもつ。側脚前縁の頭部接合部・尾部両側・側脚縁の中央付近には桃〜赤色の細長い斑紋が現れる。側脚表面には小さな結節が散在し、姿勢によって突起の高さが変化する。

分布

模式産地はオーストラリア、グレートバリアリーフのリザード島の潮間帯リーフフラット。原記載時はリザード島 (2004 年・2006 年採集) とサモア諸島ウポル島 (2005 年採集) から知られていた。後続の図鑑では「Elysia sp. 16」としてパプアニューギニア・インドネシア・フィリピン・日本・グアム・ハワイ諸島から図示されており、インド太平洋熱帯〜亜熱帯域に広く分布する。日本では沖縄諸島から記録されている。

種小名の由来

種小名 asbecki は、原記載著者らが所属するアレクサンダー・ケーニッヒ動物学博物館 (ドイツ・ボン市) を継続的に支援した実業家フランク・アスベック氏への献名。被献名者は太陽光発電企業 SolarWorld AG の創業者であり、本種は藻類由来の葉緑体を体内に取り込んで長期間光合成を行う嚢舌類で、被献名者の事業領域と本種の生態が重なる命名となっている。

和名の由来

触角の先端近くが黒染するところにちなむ。

補足

取り込んだ葉緑体を機能的に長期間 (約 10 日間) 維持する嚢舌類で、太平洋では Plakobranchus ocellatus に次ぐ二例目に位置づけられる。複数種の緑藻に由来する葉緑体を取り込むことが示唆されているが、食藻の種同定は確定していない。原記載論文は本種と Ercolania annelyleorum の二新種を同時に記述しており、いずれもリザード島を採集地とする。和名「ツノクロミドリガイ」は触角先端の黒い輪をもつ形態的特徴を表す呼称。
References

本書に掲載されています

Terrence Gosliner, Ángel Valdés and David Behrens. (2018). Nudibranch and Sea Slug Identification Indo-Pacific 2nd Edition. New World Pubns Inc. 表紙

Terrence Gosliner, Ángel Valdés and David Behrens. (2018). Nudibranch and Sea Slug Identification Indo-Pacific 2nd Edition. New World Pubns Inc.

New World Publications

本書には Elysia asbecki の解説・写真が掲載されています。

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