クチヒゲツガルウミウシ Trapania gibbera Gosliner & Fahey, 2008

クチヒゲツガルウミウシ Trapania gibbera

Location
インドネシア>バリ島>トランバン>沈船ポイント(リバティー)
Date
2015/11/15
Size
7mm
Depth
18.0m
Water temperature
30.0℃

特徴

体長6〜10mm。体形は細長く凸型で、明瞭な外套膜の縁を欠く。鰓部で最も幅広く、鰓孔の前方に背面のはっきりとした隆起 (瘤) をもつのが本種最大の特徴。頭部前縁は丸く、口触手は長く尖る。触角は比較的短く頑丈で、9〜10枚の褶葉をもち、触角は基部から先まで太さが均一。背側突起は短く湾曲し、鰓側突起は太く湾曲して背側突起とほぼ同じ大きさ。鰓は3枚の二羽枝からなる。
体地色は全身白色で、頭部前縁に黒色の線が走る。口触手は赤褐色または橙色。背側突起と鰓側突起は白色で、触角は半透明白色だが褶葉の縁は赤褐色から橙色。鰓葉は軸が赤褐色から橙色で、触角の褶葉も同じ色。後足の先端は淡い水色を帯びる。

分布

パプアニューギニア (模式産地:Nivani Island, Louisiade Archipelago)、インドネシア、沖縄。

種小名の由来

原記載 (Gosliner & Fahey, 2008, p.69) の Etymology 段落は次の通り — "The specific name gibbera is taken from the Latin word meaning 'a hump on the back'. This describes the dorsal hump that is found anterior to the gill pocket on this species." 種小名 gibbera はラテン語の「背中の瘤 (a hump on the back)」に由来し、鰓孔前方に存在する背側の隆起を表す。

補足

本種は 2008 年の Halgerda 改訂 Zoological Journal of the Linnean Society 152: 53-111 でインド太平洋産 Trapania 16 新種の一つとして記載された。原記載 Remarks では T. gibbera は鰓孔前方の背面隆起と、白色地に赤褐色〜橙色の触角・鰓葉軸という外観で他の Trapania から識別される。歯舌構造では T. nebula と顎要素の類似があるものの、内側の長い小歯が少なく、最大歯間に多数の中間歯を備える点で異なる (p.69)。和名「クチヒゲツガルウミウシ」は赤褐色の口触手の様子に由来する。
References

本書に掲載されています

中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版. 表紙

中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版.

文一総合出版

本書には Trapania gibbera の解説・写真が掲載されています。

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