コハナイバラウミウシ Okenia babai Hamatani, 1961
特徴
体長 3〜5 mm、幅 1〜2 mm の小型のドーリス類。細長い体型で外套膜縁が体側からはっきりと区切られる。外套膜縁には左右 9〜11 本の棍棒状で先の尖った乳頭状突起が並び、最前と最後の 1 本ずつは二叉する (最後のものは基部が太く膨らむ)。背面にも短い尖った乳頭状突起が 10〜14 本散在し、そのうち 3〜4 本は触角間から鰓後方まで正中線上に並ぶ。体表全体と乳頭状突起には微小な棘 (スピキュール) を含む。触角は大型の円筒形で上半分に 4〜6 枚の葉状板をもち、引き込めない。鰓は 7 枚の単純羽状で、肛門を囲んで半円形に並び、引き込めない。口触手は幅広く葉状。腹足は体より細く、前外側角は丸く、後ろは短く尖った尾になる。体地色は淡い黄白色。背面の左右には外套膜縁に沿って濃緑色〜黒色の帯が走り、個体により濃淡がある。この帯は前方で触角基部を覆い、後方で鰓を囲んで尾の先まで続く。背面・体側・尾・鰓の中軸には不規則な緑色や橙赤色の斑が散る。触角は下半分が緑がかり、上半分は無色、中央に橙赤色の帯が入る。乳頭状突起はおおむね無色だが、最後の 1 対だけ黄色味を帯びることがある。
分布
模式産地は大阪府田尻町・淡輪の岩礁。原記載時は同所のみから記録されており、卵塊も同所で観察された。種小名の由来
種小名 babai は馬場菊太郎博士への献名。補足
背面に乳頭状突起が密に並ぶ点で Okenia echinata や Okenia opuntia に似るが、本種は淡黄白色の体地色に外套膜縁を縁取る濃緑色〜黒色の帯と、背面の乳頭状突起の数で外見的に区別される。References
- Okenia (Okenia) babai Hamatani n. sp., Hamatani I. (1961). Preliminary account of a new species of Okenia from Osaka Bay, Japan (Nudibranchia-Goniodorididae). Publications of the Seto Marine Biological Laboratory. 9(2): 363-365.
- 高岡生物研究会. (2002). 日本海のウミウシ. 第2版.
- 倉持卓司, 倉持敦子 & 増倉加津雄. (2009). 相模湾から採集されたイバラウミウシ属(軟体動物門: 裸鰓目: ネコジタウミウシ科). 神奈川自然誌資料. 30: 37-40. https://doi.org/10.32225/nkpmnh.2009.30_37