ツブツブウミウシ Carminodoris grandiflora (Pease, 1860)

ツブツブウミウシ Carminodoris grandiflora

Location
日本>沖縄>石垣島・八重山周辺
Date
2017/02/15
Size
30mm
Depth
6.0m
Water temperature
24.0℃

特徴

体長 80 mm 程度に達する大型のドーリス類。体は長卵形で前後ほぼ同様に丸く、背面は凸状で軟質。外套膜は中央で最も広く、足の後端を覆い、縁は薄くひだ状になる。背面は強く皺立ち、不規則大の隆起した丸い瘤状突起で覆われる。鰓は非常に大きく、横臥状に広がる樹枝状で 5 葉あり、後方寄りに付き、肛門を取り囲み単一腔に収まる。触角は中型で細身、長卵形で板葉が傾斜、太い柄部をもち管状腔に収納できる。口触手は小型でひだ状。足は前後ほぼ同じ大きさに丸まり、後方では外套膜を超えて突出し、縁は薄くひだ状。生時の体地色は背面が暗いファウン色を基調とし、光沢のある細脈で覆われる。外套膜縁は地色より淡く、暗色で縁取られる。瘤状突起はファウン色で、半透明の柄をもつ。鰓は灰ファウン色で、まばらに白色の小斑が散在し、外側面は淡色、内側面はくすんだ色を呈する。Pease の原記載は体長約 3 1/4 インチ (約 8.3 cm) の個体に基づく。卵嚢は緩んだ石の下に螺旋形で産み付けられ、退色した黄色を呈すると記述された。

分布

インド-西太平洋〜中部太平洋。模式産地はサンドウィッチ諸島 (現在のハワイ諸島) で、Pease がハワイ産個体に基づき記載した。後にハワイ諸島、日本列島南部、台湾、フィリピン、インドネシア、グアム、紅海など広く記録されている。

種小名の由来

ラテン語 grandis「大きな」+ flos「花」 (属格 floris) を合成した形容詞で、「大きな花をもつ」の意。本種の樹枝状の鰓が大きく花のように広がる特徴に由来する命名。Pease の原記載に etymology の明示はないが、原記載の "branchiae very large, procumbent, arborescent" の表現と整合する。

補足

原記載において Pease は Doris 属に置いた。後年の分類学的整理により本種は Carminodoris 属に移された (author 表記の括弧書きはこの属移動を示す)。和名「ツブツブウミウシ」は背面に密生する瘤状突起に由来する。本種はかつて Discodoris 等にも置かれた経緯があり、外見の地色変異が大きいため類似種との識別には背面突起の形と大きさ、鰓葉の本数などが用いられる。
References

本書に掲載されています

Terrence Gosliner, Ángel Valdés and David Behrens. (2018). Nudibranch and Sea Slug Identification Indo-Pacific 2nd Edition. New World Pubns Inc. 表紙

Terrence Gosliner, Ángel Valdés and David Behrens. (2018). Nudibranch and Sea Slug Identification Indo-Pacific 2nd Edition. New World Pubns Inc.

New World Publications

本書には Carminodoris grandiflora の解説・写真が掲載されています。

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