シロブチクセニアウミウシ Phyllodesmium colemani Rudman, 1991
特徴
体は細長く、左右にそれぞれ最大 11 群の背側突起群が並ぶ。長く先細る口触手は頭部前縁から伸び、平滑で先細る触角とほぼ同長。腹足は体と同程度の幅で、前端は半円形に広がって角張った足角をもつ。心嚢前の突起は各側で約 10 個の単列弓を成し、最上の突起が最長。心嚢後の突起は体背面に沿って最大 10 列の縦列を成し、各列の突起数は後方ほど減少する。突起は基部が円柱形だが、その先で扁平化してやや拗れる。突起は容易に脱離する。体地色は半透明の緑褐色で、背面と突起背面に小さな褐色斑が散る。各突起の腹側縁には緑白色の帯、背側縁には 1 対の白色線が走り、突起先端で合流する。突起内には消化腺管が走り、共生褐虫藻を保持する。体長 12〜18 mm 程度。分布
模式産地はオーストラリア・コーラル海・ロードハウ島のラグーン (水深 2 m、クダサンゴ Tubipora musica のコロニー上)。後の観察ではフィリピンなど西太平洋に広く分布する。種小名の由来
種小名 colemani は、オーストラリアの著名な水中ナチュラリスト Neville Coleman 氏への献名。Coleman 氏はオーストラリア博物館に多数の標本と写真を寄贈し、本種のホロタイプを含む標本をロードハウ島で採集した人物。和名「シロブチクセニアウミウシ」は宿主のクダサンゴに擬態する色彩パターンに由来する。補足
本種は宿主のクダサンゴ Tubipora musica のポリプ触手の色彩に絶妙に擬態しており、コロニー上できわめて発見しにくい。Phyllodesmium 属の中で唯一、ストロニフェラン八放サンゴである Tubipora musica を専食する点で特筆される。同属他種と同様、餌から取り込んだ共生褐虫藻を背側突起内の消化腺枝に保持して光合成を行う。References
本書に掲載されています
小野篤司 & 加藤昌一. (2020). 新版 ウミウシ. 誠文堂新光社.
誠文堂新光社
本書には Phyllodesmium colemani の解説・写真が掲載されています。
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