コウテイイロウミウシ Hypselodoris imperialis (Pease, 1860)

コウテイイロウミウシ Hypselodoris imperialis

Location
アメリカ>ハワイ>オアフ島>マジック島
Date
2018/12/12
Size
30mm
Depth
5.0m
Water temperature
25.0℃

特徴

体長 50 mm 程度に達する中型のイロウミウシ類。体は細長く、平滑で背面は凸状。外套膜は小さく狭く、前方で拡張して丸まり、後方ではより鋭く丸い。足は大きく細長く、後方で尖り外套膜を大きく超えて突出する。鰓は比較的大きく直立し、非収納性で 10 葉あり、前方の 6 葉は単純、後続の 2 葉は三叉、後方一対は四叉に分岐する。後方ほど低くなり、構造は線形・四角柱状で繊毛をもつ。肛門乳頭は突出する。触角は長卵形でわずかに圧縮し、密に細かく傾斜した板葉をもち、半収納性を呈する。口触手は円筒状に細まる。生時の体地色は淡いクリーム白色を基調とし、背面と側面に小型で不規則・わずかに隆起した黄色斑が密に散在する。外套膜縁は紫色で縁取られ、足の側面と上後端には同色の破線環が並び、各環の中央は黄色を呈する。鰓は淡色で紫色の縁取りをもつ。触角は深い黒色で白色の細点が散り、前後 2 本の白色縦線で飾られる。Pease の原記載Doris prismatica Alder & Hancock の変種 (var. imperialis) として、体長約 2 インチ (約 5 cm) の個体に基づく。

分布

インド-太平洋〜中部太平洋。模式産地はサンドウィッチ諸島 (現在のハワイ諸島) で、Pease がハワイ産個体に基づき記載した。後にハワイ諸島、日本列島南部、台湾、フィリピン、インドネシア、グアム、ニューカレドニアなど広く記録されている。

種小名の由来

ラテン語の形容詞 imperialis「皇帝の」「壮麗な」の意で、本種の華麗な体色斑紋に由来する命名。Pease の原記載に etymology の明示はないが、紫色の外套膜縁と背面の黄色斑、黒色の触角という色彩の組み合わせが「皇帝にふさわしい威厳」を思わせるための命名と考えられる。和名「コウテイイロウミウシ」もこの種小名 imperialis「皇帝の」を直訳した命名。

補足

原記載において Pease は Doris prismatica Alder & Hancock の変種 (var. imperialis) として記載した。後年の研究で本変種は独立種に格上げされ、Hypselodoris 属に移された (author 表記の括弧書きはこの属移動と独立種への昇格を示す)。なお Pease は同論文中で別個体を Doris prismatica var. lineata としても記載しているが、これも同様の経緯をたどる。
References

本書に掲載されています

Terrence Gosliner, Ángel Valdés and David Behrens. (2018). Nudibranch and Sea Slug Identification Indo-Pacific 2nd Edition. New World Pubns Inc. 表紙

Terrence Gosliner, Ángel Valdés and David Behrens. (2018). Nudibranch and Sea Slug Identification Indo-Pacific 2nd Edition. New World Pubns Inc.

New World Publications

本書には Hypselodoris imperialis の解説・写真が掲載されています。

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