エラフリイロウミウシ Goniobranchus vibratus (Pease, 1860)

エラフリイロウミウシ Goniobranchus vibratus

Location
日本>東京>小笠原>南浮磯
Date
2019/07/28
Size
20mm
Depth
15.0m
Water temperature
24.0℃

特徴

体長 25 mm 前後に達する小型〜中型のドーリス類。体は静止時に長卵形〜卵形を呈する。外套膜平滑で背面は凸状、前方では丸くやや拡張し、後方は鋭く丸い。外套膜縁は薄く、足の後端を覆わない。鰓は 7 葉で小さく、ほぼ直立し、線形・四角柱状で、葉の全長に細毛が並ぶ。鰓は単一の腔に収まり、後方ほど小さくなる。肛門乳頭は突出する。触角は短く卵形で、傾斜した板葉が並び、単純な腔に収納できる。口触手は小さく円筒状に細まる。足は細長く外套膜とほぼ同幅で、前方では鈍円、後方では鋭く丸まり外套膜後端を超えて突出する。生時の体地色は背面が黄色を基調とし、白色の不規則斑が散在する。縁辺はやや淡くなり、紫色の小点と縁取りで縁飾りされる。鰓は紫色の縁取りをもち、触角は紫色で柄部は無色、足は白色を呈する。Pease は飼育下で本種が静止時にも移動時にも常に鰓を振動させていたと記述した。

分布

中部太平洋。模式産地はサンドウィッチ諸島 (現在のハワイ諸島) で、Pease がハワイ産個体に基づき記載した。後にハワイ諸島、ジョンストン環礁、ライン諸島などから記録されている。

種小名の由来

ラテン語の動詞 vibrare「振動する」に由来する形容詞 vibratus「振動する」「揺れ動く」の意。本種を飼育中に観察した Pease が「常に鰓を振動させ続ける」と記したその習性に由来する命名。

補足

原記載において Pease は Doris 属に置き、本種を「単純で線形・四角柱状の鰓をもつグループ」の代表とした (同論文中の Doris propinquata および Doris picta も同様の鰓構造をもつとした)。後年の分類学的整理により本種は Goniobranchus 属に移された (author 表記の括弧書きはこの属移動を示す)。和名「エラフリイロウミウシ」は Pease の記述どおり、鰓を絶え間なく振り動かす行動に由来する。
References

本書に掲載されています

中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版. 表紙

中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版.

文一総合出版

本書には Goniobranchus vibratus の解説・写真が掲載されています。

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