アオミノウミウシ Glaucus atlanticus Forster, 1777

アオミノウミウシ Glaucus atlanticus

Location
日本>静岡>北川>港内
Date
2025/07/11
Size
??mm
Depth
0.0m
Water temperature
25.0℃

特徴

体長は最大で約 50 mm に達する浮遊性のミノウミウシ類。体地色は鮮やかな濃青色を呈し、海面に浮かぶと反射光と相まって独特の銀青色に見える。背側突起は左右 3 対の群を成し、それぞれの群から細長い枝状突起 (cerata) が放射状に分岐する。触角は短く平滑

本種は生涯を外洋の海面に背腹を反転した状態で浮遊して過ごす。胃に飲み込んだ空気を利用して浮力を得ており、能動的に泳ぐことはほとんどない。風と海流に運ばれて漂う典型的なニューストン (海面を漂う生物群) の一員。

カツオノエボシ Physalia physalis、ギンカクラゲ Velella velella など水面に浮かぶヒドロ虫類・刺胞動物を捕食し、餌の刺胞を消化せず無傷で取り込んで背側突起の先端 (刺胞嚢) に蓄え、自身の防御に転用する。これにより人体にも刺胞毒による刺傷を引き起こす可能性がある。

分布

世界中の熱帯〜亜熱帯の大西洋・インド洋・太平洋の外洋表層に広く分布する。沿岸への漂着は風と海流次第で世界各地から散発的に報告される。日本では太平洋岸南部の海岸での漂着例がある。

種小名の由来

種小名 atlanticus はラテン語で「大西洋の」を意味する。原記載 (Forster, 1777) が大西洋産の標本に基づくことに由来する。

補足

Churchill, Valdés & Ó Foighil 2014 は分子系統解析と形態比較から、従来 1 種とされていた Glaucus atlanticus 群を再検討し、本種に加えて Glaucus mcfarlaneiGlaucus thompsoniGlaucus bennettae の 3 隠蔽種を記載した。本種 Glaucus atlanticus は典型的個体群を保持する元の種に該当する。
References

本書に掲載されています

中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版. 表紙

中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版.

文一総合出版

本書には Glaucus atlanticus の解説・写真が掲載されています。

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