ハナヤギウミウシ Antiopella fusca (O'Donoghue, 1924)

ハナヤギウミウシ Antiopella fusca

Location
日本>北海道>積丹
Date
2026/04/07
Size
22mm
Depth
10.0m
Water temperature
8.0℃

特徴

体長は通常 30〜50mm 程度で、ブリティッシュコロンビア沿岸では 100mm を超える個体も記録されている。体地色は半透明の黄白色〜淡灰色で、触角間の隆起から背面正中線にかけて橙色の縦線が走り、尾部正中線には白色の線が入る。背中と体側に多数の長い背側突起を密生させ、各突起の内部には褐色の消化腺管が透け、上端付近で橙色の色帯となり、先端は不透明な白色で締めくくられる。触角は約 20 枚の襞を備え、先端は白い。背側突起の列が触角の前方にも並ぶ点で近縁種と区別される。

分布

模式産地はカナダ・バンクーバー島周辺。北米太平洋岸ではアラスカ州キーナイ半島からカリフォルニア州中部まで広く分布し、北日本およびロシア極東の日本海沿岸からも記録されている。岩礁性の潮間帯から水深 30m 程度までの浅海に生息する。

種小名の由来

ラテン語 fuscus(暗褐色の、くすんだ)に由来する。

補足

コケムシ食で、樹枝状の群体を作る Bugula pacificaTricellaria 属を主な餌とする。北米個体群では寄生性カイアシ類 Ismaila belciki による感染が知られ、感染個体は生殖が抑制される。原記載は Janolus fuscus O'Donoghue, 1924 として、バンクーバー島周辺の標本に基づき発表された。2019 年の改訂 による Janolidae の復活と属再編にともない Antiopella 属に移され、現行の有効学名は Antiopella fusca となっている。
References

本書に掲載されています

中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版. 表紙

中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版.

文一総合出版

本書には Antiopella fusca の解説・写真が掲載されています。

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