ヤマアラシミノウミウシ Sakuraeolis nungunoides Rudman, 1980
特徴
属内最大級の大型種で、体長 40 mm に達する。最大の特徴は、体長のおよそ 3 分の 2 に達するきわめて長い背側突起。体は細長く比較的体高があり、尾部は短い。口触手は長く先細りで、触角は口触手の約 3 分の 2 の長さで、ときに不明瞭な皺が入るが基本的に平滑。体地色は薄い半透明の白色で、ときに橙色を帯びる。頭部は口触手基部から触角後方まで鮮橙色で、頭部側面と体本体は半透明白色。触角と口触手は基部 3 分の 1 が半透明、上部 3 分の 2 が鮮橙色。腹足の前縁全体と腹足後角全体が鮮橙色で、尾端も橙色。背側突起の下方 3 分の 2 は透明で、その上に幅広い鮮橙色の帯と白色のまだら模様、先端は透明。消化腺は暗褐色。刺激を受けると背側突起を硬直させて立てる (和名「ヤマアラシ」の由来)。分布
模式産地はタンザニア・ダルエスサラーム港入口の North Reef (1973 年 8 月採集、下水管を支える木杭に着生したヒドロ虫上)。原記載 (Rudman, 1980) ではタンザニアのみから知られていたが、後年の観察ではニューカレドニア、シンガポール、マレーシア、フィリピンまで分布が広がっている。種小名の由来
種小名 nungunoides は、スワヒリ語でヤマアラシを意味する nungunungu に由来する造語。刺激を受けたときに背側突起を硬直させて立てる挙動を、ヤマアラシが針毛を逆立てる姿になぞらえたもの。補足
ヒドロ虫 Salacia tetracythara および Eudendrium sp. cf. carneum を捕食する。Sakuraeolis enosimensis (Baba, 1930) や Sakuraeolis modesta (Bergh, 1880) からは色彩と歯舌で、同所性の Sakuraeolis kirembosa からは背側突起の密な白色斑の有無 (本種にはない) と触角表面の平滑さ (Sakuraeolis kirembosa には小こぶがある) で区別される。References
- ヤマアラシミノウミウシ(新称), 中野理枝. (2018). 日本のウミウシ. 文一総合出版.
本書に掲載されています
中野理枝. (2019). 日本のウミウシ. 第二版. 文一総合出版.
文一総合出版
本書には Sakuraeolis nungunoides の解説・写真が掲載されています。
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