ハンターズイア属の一種 1 Hantazuia sp. 1

ハンターズイア属の一種 1 Hantazuia sp. 1

Location
日本>沖縄>石垣島・八重山周辺
Date
2023/01/17
Size
??mm
Depth
??m
Water temperature
??℃

ハンターズイア属の一種 1とは

ハンターズイア属 (Hantazuia) に分類される未同定種のひとつ。 沖縄産。 mtDNA (COI / 16S) と核 (H3) のバーコーディングで Hantazuia yugoikedai (Honshu, 城ケ島) に最も近縁となるが、 既知 3 種いずれとも一致せず、 ハンターズイア属の第 4 種候補と推定される。

特徴

体色は黄色味を帯び、 外見的には H. yugoikedai に似る。 ただし H. yugoikedai とは異なり、 背中が黒くなる点で区別できる。 同所性の H. imagawai も背中は常に黒く見えるが (体壁が薄く、 体内の消化腺が透けて現れるためと推定される)、 本種と H. imagawai背側突起の形状・配置の違いで識別する。

分布

沖縄から確認されている。 H. imagawai と同所的に出現する。

3 marker 統合解析の結果

COI / 16S / H3 の 3 marker で Hantazuia 既知 3 種と比較した結果は以下の通り。

COI では H. yugoikedai と 14.5-14.8% diff (= 85.2-85.5% identity)、 H. imagawai と 15.75% (= 84.25% identity)、 H. kimotoi と 16.67% (= 83.33% identity) の距離をもつ。 既知 3 種同士の種間距離 12.3-13.1% (Korshunova et al. 2025 報告値) を、 user 標本はいずれの種に対してもわずかに上回る。

16S では BLAST ベースで既知 Hantazuia 各種に対して 10% 程度の差。 H3 では既知 3 種すべてに対して 2.45% diff (= 97.55% identity) と均等距離。

3 marker いずれも「Hantazuia 属内の種間距離をわずかに超える」 という一貫した signal を示しており、 本標本は Hantazuia 属の divergent lineage として既知 3 種から明確に区別される。 COI で H. yugoikedai に最も近縁となる点は、 体色が黄色味を帯び H. yugoikedai 寄りの外見をもつという観察と整合する。

補足

Hantazuidae fam. nov. + Hantazuia gen. nov. は、 北西太平洋日本沿岸の小型ミノウミウシ群を整理した近年の系統解析で新設された taxonomy 枠組みであり、 既知 3 種 (H. yugoikedai / H. kimotoi: 本州城ケ島、 H. imagawai: 沖縄) が記載されている。 本標本は同枠組みの第 4 種候補として、 沖縄産でありながら系統的には H. yugoikedai + H. kimotoi サブクレード側に寄った独立 lineage と位置付けられる。 形態は H. yugoikedai 寄り、 地理は H. imagawai と同所、 という分離パターンは sympatric cryptic divergence の典型で、 正式記載候補として価値が高い。
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