アユカワウミコチョウ Siphopteron fuscum (Baba & Tokioka, 1965)

アユカワウミコチョウ Siphopteron fuscum

Location
日本>千葉>鋸南>明鐘
Date
2012/03/10
Size
10mm
Depth
7.0m
Water temperature
14.0℃

特徴

ウミコチョウ類の微小種で、体長約 4 mm。体はきわめて細く長く先細りの尾をもつ。頭盾は細長い長方形で、後方に冠状突起によって支えられる漏斗を形成する。一対の黒い眼が頭盾の中央にある。背中の隆起は長卵形で表皮は平滑で、隆起の右後方に 1 本の長い角状突起が立つ。側脚は自由に伸縮可能で、長く先細りの尾をもつ。外套膜の遊離縁はきわめて短く、鰓は痕跡的。

生体の配色は、背中の隆起がチョコレート褐色で散在する白色斑をもち、側脚の下面はチョコレート褐色で大胆な白色不規則斑が遊離縁にかけて広がる。角状突起は先端が朱色を呈し、側脚縁全長と尾縁に細い朱色帯、頭盾には朱色の横帯と一対の朱色縦帯が遠位で収束し、その間に雪白色の縦線をもつ。頭盾の側縁はチョコレート色で、漏斗縁は朱色、底面と尾の下面は半透明の白色。

分布

模式産地は福井県越前海岸の鮎川 (水深 2 m)。原記載時は模式産地のみから知られていた。

種小名の由来

種小名 fuscum はラテン語の fuscus (褐色の) に由来し、背中の隆起の優勢なチョコレート褐色を反映する。

補足

近縁の Siphopteron flavum とは、本種の角状突起が鋭く尖るのに対し S. flavum では鈍頭の乳房状をなす点、および本種の体地色がチョコレート褐色であるのに対し S. flavum がレモン黄色を呈する点で外見的に区別される。両種の識別は生体個体でのみ有効で、固定後に変色した個体では区別困難。
References

本書に掲載されています

Terrence Gosliner, Ángel Valdés and David Behrens. (2018). Nudibranch and Sea Slug Identification Indo-Pacific 2nd Edition. New World Pubns Inc. 表紙

Terrence Gosliner, Ángel Valdés and David Behrens. (2018). Nudibranch and Sea Slug Identification Indo-Pacific 2nd Edition. New World Pubns Inc.

New World Publications

本書には Siphopteron fuscum の解説・写真が掲載されています。

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